MBTIは信頼性のないエセ科学か?
INTJは特にMBTIテストに「ハマる」と書いてあるのを見たことがありますが、たしかにハマった私です。
でも、信頼性があるかというと疑問です。そもそも、ベースがユング理論という時点で、科学というよりもオカルト~って感じがします。
実際のところ、MBTIはどこまで信用できるのか? MBTIが現代心理学から受けている批判を紹介します。
INTJって、だいたいクールでかっこいいキャラになりますよね? カービィのキャラでは、「メタナイト」でした。
MBTIの問題点
MBTIは、ユングの人格理論に基づく世界でもっとも人気のある心理テストである。毎年200万人以上がテストされている。MBTIはあなたを16タイプのうち一つに分類する。内向的か外向的か、論理的か感情的か(「思考型」、「感覚型」と呼ばれる)などで。
興味深い――そしていくらか警告的な――MBTIの事実は、その人気にもかかわらず、専門的な心理学者からは30年以上も持続的な批判を受け続けているということだ。ひとつの問題は、「再試験による信頼性」である。もしあなたが5週間の時間をおいて再テストを受ければ、50%の確率で前に受けたときと違うパーソナリティと診断されうる。
第二の批判は、MBTIは相互に分断されたパーソナリティを前提としていることである。あなたは外向的か内向的かであり、決してそのミックスではない。しかしほとんどの人はその中間に位置するのである。これはMBTIが身長を測定すれば、すべての人が「高い」「低い」で分類されるようなものである。実際には大部分が中間の高さなのに。
その他、職業適性とMBTIが関係がないとする主張がある。心理学者のDavid Pittengerは、「MBTI分類と職業的成功の間の正の相関を示す証拠は存在しない。また、特定のタイプが、特定の職業で満足していることを示すデータもない。……MBTIテストをカウンセリング・ツールと用いることは極めて危険である」。
(Have we all been duped by the Myers-Briggs test? | Fortune)
まとめると、
- MBTIの結果は数週間で変化する可能性が高く、「パーソナリティ」のテストとして問題があること。
- すべてを二項対立で区分するので、ボリュームゾーンの中間層が考慮されていないこと。
- 職業適性との関係にエビデンスがないこと。
となります。
なぜMBTIは人気なのか?
問題のあるMBTIがいまだに人気がある理由について、Murphy Paulはふたつの点をあげている。
ひとつは何千人もの人々が、MBTI認定の受講生や講師として、時間と金を投資しているからである。
もうひとつは、テストで他者や特に自分のことを知ったときに、「アハ体験(Aha moment)」があるからである。「タイプ分けを愛する人は、自らの理想とする自己をイメージすることに取り憑かれる」とMurphy Paulは言う。いったんこのことが起きると、信頼性や正当性に対する疑念は、「聖体拝領のワインの味についてコメントするようなことになる。」とBrian Littleは述べている。
(Goodbye to MBTI, the Fad That Won’t Die | Psychology Today)
MBTIって、けっこう大きな「市場」になっている感があります。
Amazon.comでの「INTJ本」。ひとつのパーソナリティでも、ずらっと書籍が表示されます。
また、MBTIの「信仰者」が増えるにつれ、それに対する批判はタブー化します。基本的に、人は一度信じたものに疑いをもつことは難しいものです。
まとめ
MBTIは、少なくとも「科学的な」人格テストではありません。人格テストの信頼性は、再試験が可能であることにあります。人格はそう頻繁に変わるものではありませんから、テストの結果がころころ変わってはおかしいのです。
私の名前はアダム・グラント。INTJだ。……MBTIテストを受けて、私は自分の内面がわかった気がした。私は壇上でスピーチや講義をすることに時間を費やしているが、私はより内向的だったのだ――私はつねに良い読書体験を、賑やかなパーティよりも好んでいた。そして私は時折ToDoリストを持っていた。
しかし私が数カ月後にMBTIテストを受けたら、私はESFPだった。突然、私はパーティ命の、自分の心にしたがい風のまにまに生きる男になった。(同)
私の経験としても、前に測ったときはINTJだったのに今回はINTPで、 アイデンティティが崩壊するよー、なことがあります。
もちろん、MBTIを遊びとして楽しむことは気晴らしになりますし、オカルトとして信奉することも良いでしょう。ある程度「当たる」ことは事実ですし。しかし、少なくとも、心理学者からMBTIが長年批判され続けているという事実は知っておくべきかもしれません。
最近では「ビッグ・ファイブ」という比較的正確な性格診断があるようなので、気になる人はそちらを受けてみても良いかもしれません。
個人的に、MBTIには「かなりハマった」のですが、これからは批判的に考えていきたいと思います……。