齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

日本は権威主義である

日本という異常な国について

 

アナーキストとなってから、あまり日本批判をすることはなくなった私です。日本よりもベターな国はたくさんありますが、「良い国家」は存在しえないからです。

 

でも、自国を否定することがアナーキズムの第一歩ですから。日本はおかしな国だ、ということは主張していかなければいかんと思います。 

日本は権威主義的な国か

日本は権威主義か? というQuoraの質問に対して、Anthony Kissel氏の回答。

Is Japan authoritarian? - Quora

 

f:id:mikuriyan:20180621022057j:plain

 

日本の政治システムについてもっとも重要なことは、あらゆる西洋システムとの比較が困難だということである。もっとも近い政治システムはロシアのものだ。なぜならば、日本は表面的には西洋型の民主主義を採用したが、決して実際にそれを施行しようとは思っていないからである。日本の権力構造は数百年前から、まったく民主主義的ではない。ある側面からは、むしろ全体主義的、権威主義的と言える。

 

したがって、つねに念頭に置かなければならないことは、日本において明文化された法律は非常に小さな価値しかもっていないということだ。ほとんどの法律は、紙の上に存在するのみだ。外国からの調査員や、西洋の政府に大して日本がふつうの国であるように見せかけるために。

 

君の権威主義に関する質問に答えるために、J. リンスの権威主義の4つの特徴を用いよう。

 

「限られた政治的多元性。そのような政権が、立法府、政党、利益集団のような機関や集団に制約をもたらす。」

 

日本では、多くの政党が存在する。選挙ごとに新しい政党が生まれては去っていく。しかしこのことは実際に政治的多元性があることを示すのではない。日本は事実上一党支配の国である――愛国カルトである「日本会議」とつながりをもつ「自民党」による。

 

感情に基づく合法性の基礎。特に反乱や未開発など、「容易に認識できる社会問題」と戦うために政権が必要悪であるとする感情。

 

自民党を選挙で勝たせる主要なテーマは、「日本の守護者」というものである。たとえば、「日本を取り戻す」(米国の占領から)というようなスローガンや、日本の過去の事実を白塗りして隠すこと、学校カリキュラムを検閲し、子どもたちに「自国の誇り」を教えることがそうである。

 

自民党は、「日本を再び誇れる国にする」ことのできる唯一の政党であるという、純粋に感情的な主張から正当性を生みだしている。このコンテクストの中では、彼らは日本の帝国主義と、その後の高度経済成長を言及するものとしか解釈できない。

 

最小限の社会的流動性。大部分は政治的反対勢力や、反政権的行動に対する抑圧などの公衆に対する制約による。

 

公的には、このような制約は存在しない。日本人は自らの理由によって、自由に結集rallyすることができる。しかし私がはじめに書いたとおり、現実には紙面上に書かれた程度の価値しかもたない。

 

実際には、日本はそのもっとも近い歴史においても、政権に反逆するものは、迫害され、沈黙させられ、殺されさえした。第二次大戦後、労組の結成は、政府に雇われたチンピラによって残酷に打ち破られた。今日、愛国主義的な議題の批判的な事実を公表しようとするジャーナリストは、日常的に迫害され、検閲され、解雇されている。政府はしたがって、地下世界(またはヤクザ)と非常に良い関係をもっている。したがって、日本人は街なかで主張することが自由だとしても、自己検閲し服従したままでいることが多い。

 

「しばしばあいまいで、徐々に変化する非公式に定義される特権階級の権力」

 

再度、紙面上では日本の権力は公式に定義されている。しかしそれはもうひとつの仮面でしかない。実際の日本の政治的決定は、ほとんどの期間、少数の選挙で選ばれていない官僚たちに握られている。それ以外のときは、政治家たちがより強力だっただろう。

 

このカオスを完璧にすることには、強力なカルト宗教である日本会議や公明党もがこの国の最高決定にアクセスできる。蒸し暑く散らかっている。今日の日本ほど権力が非公式で、あいまいで、流動している国は他にないだろう。

 

したがって――イエスだ! 日本は権威主義的システムの4つの基準をすべて満たしている。

 

いや、まったく、ぐうの音もでません笑 

個人的には、もうひとつのカルト宗教「日本教」の教祖である天皇にも言及してほしかったですが。

 

引用文では省略してしまいましたが、Anthony氏はウォルフレンのこの本を激おししてますので、紹介します。 

 

 

補遺:権威主義者とはだれか

日本という国家は権威主義的ですが、そういった社会では権威主義的パーソナリティも増加していきます。

 

権威主義的性格とは、単純に言えば「偉い人が言うんだから間違いない」とか、「集団の利益のためには個人的な善悪の価値観は放棄すべきだ」というような考え方です。

 

ドイツの社会学者、テオドール・アドルノによれば概ね以下のような人格が権威主義者の特徴のようです。

  • 慣例的な善悪の概念に対する盲目的な追従
  • 認められた権威に対する服従
  • 慣例的思想に参加しない人や、異なる人に対する攻撃
  • 人間一般に対するネガティブな見方。たとえば、人々はもし機会さえあれば皆嘘をつき、盗み、ずるをするという信仰
  • 妥協なき力をしめ強力なリーダーシップへの欲望
  • 単純な答え、論争への信奉――メディアは私たちをコントロールしている、私たちのすべての問題はモラル低下にある、など
  • 創造的で危険な概念に対する抵抗。白と黒の世界観。
  • 自分の不完全感、怒りや恐怖の感情をスケープゴート集団に投影する
  • 暴力と性別に対する先入観

Authoritarian Personality - Psychologist World

アドルノのファシストチェッカー 「Fスケール」

アドルノには、「Fスケール」というファシスト傾向をチェックするアンケートがあったのでそこから引用してみます。

  • どんな事でも、本当に重要なことは、苦しさを通じてのみ、学ばれるものだ。
  • 若者に最も必要とされているのは、厳しい規律であり、断固とした決断であり、そして家族と祖国のために働き、闘おうとする意志である.
  • 我々の名誉に対する侮辱はどのようなものであれ見過ごしてはならない。
  • 自分の両親に対して、心からの尊敬、感謝、愛を感じないような人間は最下等の人間である。
  • 強い意志を持っていれば、どのような弱点、困難をも克服することができる。
  • 真の日本文化を守るには、なんらかの強い力が必要である。

ここから引用しています。かなり意訳ですね)

 

喜びよりも苦しみを課す、努力主義、国民や組織に対する侮辱への過敏な反応など、まさに「日本的」な精神は、権威主義的パーソナリティで説明できそうです。