齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

あなたはアナーキストである

「人が人の上に立つのはよくないことだ」。

 もし同意するなら、あなたはアナーキストかもしれません。

 

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Above the eternal tranquility - Isaac Levitan  1894

    

あなたはアナーキスト?

気鋭の米アナーキスト、デヴィッド・グレーバーの「Are You An Anarchist? The Answer May Surprise You! | The Anarchist Library」より引用します。なおかなり省略・意訳してます。

 

もし混雑したバスに列ができていたら、警察がいないときでも、先客をかきわけて強引に進むことなく、あなたは自分の順番を待つだろうか? 

 

もし答えが「イエス」なら、あなたはアナーキズムの行動をしていたことになる! アナーキストの原則は自主的な組織化にある――

つまり人類は、訴追の脅威なくして他者を尊厳と尊敬の念をもっていたわることが可能である、という前提だ。

 

あなたは、ひとりのリーダーの命令ではなく、成員の同意によって運営されるクラブやスポーツチーム、ボランティア団体のメンバーだろうか?

 

もし答えが「イエス」なら、あなたはアナーキスト原則に基づく組織に所属していることになる! アナーキズムのもう一つの原則は、自主的な団結だ。アナーキストは、すべての社会が成員の自由な合意に基づくべきだと考える。したがって、軍隊や官僚、大企業のようなトップダウン形式の、指揮系統による組織はもはや必要ではないと主張する。

 

あなたはほとんどの政治家が、公共の利益を考えない自己中心的で、利己的な豚だと信じるだろうか? あなたは私達が、バカバカしく不平等な経済システムのなかに生きていると信じるだろうか?

もし答えが「イエス」なら、あなたはアナーキストの現代社会批判を評価していることになる――少なくとも、その概要としては。アナーキストは権力は腐敗しており、生涯を権力を追い求めることに費やす人々は、もっとも権力を与えてはいけない人々だと信じている。アナーキストはまた、私達の今の経済システムは、まともで他者をいたわる人間であるよりも、利己的で不道徳な人々を利する可能性が高いと考えている。

 

 

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あなたは子どもたちに教えること(または親たちに教わったことを)を信じているか?
「だれが初めにけしかけたかは関係ない」「間違いに間違いを重ねたところで、正しくなるわけじゃない」「自分の責任は、自分でとりなさい」「他の人のために行動しなさい」「自分とは違うからって、そっけなくするんじゃない」。たぶん私達はどちらか決めなければならないだろう。自分の子どもたちに善悪を教えるときに嘘をつくことになるか、自らのしつけを真剣に考える気になるか。

もしあなたがそれらの道徳原則を理論的結論と取るならば、あなたはアナーキズムに到達したことになる。

 

あなたは人類は根本的に腐敗しており、邪悪であると考えるか? またはある種の人々(女性、有色人種、低学歴や非富裕層)は劣った種族であり、より優れた人種に支配される運命にあると考えるか?

 

もしあなたの答えが「イエス」なら、ええと。あなたは全くアナーキストではない。しかしもしあなたの答えが「ノー」ならば、あなたはアナーキスト原則の90%に賛成する見込みがある。あなたが他の人を配慮と尊敬をもって接するとき、あなたはアナーキストとなる。あなたが他者になにかを強制させる機会を持ちながら、自分の理性や正義感にしたがうことを決めたとき、あなたはアナーキストとなっている。

 

アナーキズムは自然である――つまりあなたの心の中にある

アナーキズムという思想は異端です。

 

しかし、実際はかなり受け入れやすいことはわかってもらえたのではないでしょうか。

 

アナーキズムは自然です。ホモ・サピエンスが生まれた数十万年前から、農耕の始まる一万年前まで支配関係がありませんでした。他者を尊重し、助け合って生きてました(「優しい世界」は狩猟採集社会にあった - 齟齬)。これが自然の世の中でした。

 

でも現代は、人同士が奪い合ったり、支配したり、殺しあって生きている「不自然な」時代です。

 

アナーキズムは無秩序ではありません。まったく逆。

 

アナーキズムにおける秩序は、黄金律にあると私は考えています。黄金律とは、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教に共通する教えである、「己の欲する所を人に施せ」。

 

助けてもらったら嬉しいから、他人を助ける。ものをプレゼントされて嬉しいから、他人にも贈り物をする。いじめや独り占めをされたら悔しいから、それはしない。

 

そこには自明な秩序があります。法律や警察の強制力はいりません。

 

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このチャプリンの有名な演説は、完全にアナーキズムです。

 

それにしても、アナーキズムが人々の主流にならないことが本当に不思議です。

 

どのような諸力が人々をアナーキズムから遠ざけているのか? もっと調べていきたいと思います。