齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

農耕社会とサイコパスの関係

人は基本的に善良です。しかし中には、純然な悪も存在します。

 

それは「サイコパス」です。

 

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サイコパスというと、「凶悪犯罪者」のイメージがあります。たしかにサイコパスは凶悪犯罪に多いのですが、しかし社会に適応しているサイコパスもかなりの数、存在します。

 

このサイコパスについて,もっとも厄介なのは,巧みに偽装し立派な人物に見せかけるので,素人目にはほとんどその本当の正体が気づかれないことである。しかも貪欲で自分本位に,そっと忍び寄り,餌を食いあさり,他人を傷つけ,他人のものを何 でも奪っていく。他者は皆,餌か道具である。善良で親切な人ほど,格好の餌食にされやすく,親切に関わろうとすると返ってひどい目に遭いやすい。対人的共感性と良 心や罪悪感といったものを欠いている。自分の操作により他者が傷つき,苦しんだり 悲しんだりするものなら,それは自分の有能さと捉え,なお一層の優越感や支配欲の満足感・自己陶酔感が得られる。また,そうした他者の権利や所有物の侵害も,巧妙に仕掛けられているので相手に相当な被害を与えている場合でも,被害者にさえ気づ かれない場合も少なくない。
(DSM-5による反社会性パーソナリティ障害・素行障害とサイコパス 宮川 充司)

この説明は気に入っています。サイコパスって、けっこう身近にいるんですよ。たとえば、実際はどうかわかりませんが、某居酒屋会社の社長なんかはサイコパスだと言われていますね。

 

本日はサイコパスの概要をおさらいしてみたいと思います。

サイコパスとは何か

Jez Phillips博士のサイトから引用します。

The psychopath: Facts and research resources | Dr Jez Phillips

 

・サイコパスの有病率は0.2%~2%。頻繁に引用される数値は1%である。
・女性よりも男性に多く見られる。Grann(2000)によれば、暴力犯罪者の精神病率は男性は31.0%だが、女性は11.0%に過ぎない。

 

Robert Hareによれば、サイコパスの特徴は以下に要約される。

感情的/対人関係的

  • 口がうまく、表面的な魅力
  • 自己中心的で誇大表現
  • 反省や罪悪感の欠如
  • 共感性の欠如
  • 虚偽と操作
  • 感情の希薄さ

社会的逸脱

  • 衝動的
  • 乏しい行動コントロール
  • 刺激や興奮を求める
  • 責任感の欠如
  • 早期の問題行動
  • 成人の反社会的行動

サイコパスと犯罪

サイコパスは他の犯罪者よりも、生涯における犯罪行動の件数が多い。(Hare, 1991; Hare, Strachan, & Forth, 1993)

 

サイコパスは一般的に、非サイコパスよりも攻撃的である。97%のサイコパスと比較し、74%の非サイコパスが少なくとも暴力犯罪の有罪判決を受けている。(Hare, 1981))

サイコパスは初期共同体から追放された

ここからは私の個人的な想像です。

 

サイコパスのような人間が、狩猟採集社会で生まれたら、どのように扱われたでしょうか。私は追放されたと考えます。サイコパスと狩猟採集民は共存不可能だからです。下手すれば殺されたかもしれませんね。

 

サイコパスの病因は不明ですが、一般的には生まれつきあるいは発育段階の障害(海馬の異常とする説が有力)で、生涯変わらないとされています。サイコパスは今も昔も一定数存在したことでしょう。

 

つまりサイコパスを「教化」「道徳教育」「啓蒙」することは不可能であり、狩猟採集民も非道な手段もとらざるをえなかったのではないでしょうか。

 

極めて平等だったとされる縄文時代でも、殺意をもって殺されたとされる遺体が数人分見つかっているようですが、もしかしたらそれはサイコパスの遺体だったのかもしれません。突飛な意見ですが。 

農耕社会とサイコパス

現代社会のルーツである農耕社会は、狩猟採集社会から追放された者によって構築されたのではないでしょうか。

 

つまり農耕社会は、狩猟採集民たちによって「劣る」「悪い」と見なされた社会だったのではないでしょうか。

 

初期の農耕社会は、キツイ・汚い・危険のブラック企業並にしんどいところでしたし、殺人や奴隷支配の発生源でもあり、まさに悪が支配するサイコパス・ワールドです。

 

イェール大教授のJames C. Scott氏は、一貫して「狩猟採集民は農耕社会を拒絶し続けてきた」と主張しているのですが、それなら農耕社会はなぜ誕生したのか。そして農耕社会がなぜ支配的になったのかを考えなければいけません。

 

Scott氏がどう考えているかは不明なのですが、私の答えとしては、初期人類の共同体から追放された人々――つまり、分配や共有、平等や相互扶助といった狩猟採集文化に不適合であった、利己的な、サイコパスのような一種の精神異常者が生き延びて発明したのが農耕社会だった、と考えています。

 

つまり農耕から現代社会に至るまでの国家の歴史は、サイコパスによる支配の歴史だったのです。

 

……ええ、わかってます。「頭大丈夫か?」と聞きたいのでしょう。私も自分で、すげー単純化してるなー、と思うのですが。でも考える価値はあると思います。 

サイコパスに関する著書

一時期、サイコパスについてしつこく調べたことがあるのですが、入門としておすすめなのはペック氏の本です。

原題はPeople of the Lie。心理学の本が邦題だと安っぽくなるのはなんでなんでしょう?

 

まじめに学術的にサイコパスについて知りたい、という方は以下の本もおすすめです。 

 

 しかしサイコパス研究は、今現在心理学でもっとも白熱している領域でもあり、10年近く前の本を読む意味はあまりないかもしれません。まあ網羅的にサイコパスの全体像を知るためには有効です。

 

#予約投稿に失敗しました! ので、一日遅れですが投稿しておきます……