齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

アナーキズムよりもナショナリズムの方が危険

何も誇るべきものがないすべての惨めな愚者は、所属する国家への適応が最後の自尊心の源となる。彼は自らの欠点と偽物の爪と牙を守り抜くことで幸福となる。このように彼は自らの劣等感を埋め合わせるのである。ショーペンハウアー

ナショナリストとは何者かと考えていた。( *今日は隠遁シリーズはお休みです。)

 

愛国心と名言

愛国主義について、私の好きな思想家はなんと言ったかを軽く調べてみた(以下は私の稚拙な訳なので察してください) 。

 

愛国主義の最大の魅力は、最悪の願いを実現することである。私たちの国の人びとは、間接的に、いじめや不正を行うことができる。しかも、深い徳をともなっているという気持ちで、いじめや不正を行うことができるのだ。オルダス・ハクスリー

 

ナショナリズムは子供の病気だ。人類にとってのハシカのようなものだ」アインシュタイン

 

ナショナリズム自己欺瞞によって強められた権力への渇望である。ジョージ・オーウェル

 

ナショナリズムは他者を抑圧する手段である。ノーム・チョムスキー

 

宗教やナショナリズム、あるいは不条理でバカげた習慣や信条でも、それが個人を他者と結びつける限りは、人びとがもっとも恐れるもの――つまり孤立――から逃れることを可能にする。エーリッヒ・フロム

 

私たちが敗北しようとしているときに故郷を思い起こすことは、よく知られている事実である。アルベール・カミュ

 

国家アイデンティティは奪われた人びとの最後の砦だ。しかしアイデンティティの意味は憎悪に基づいている。自分と同じではない者への憎悪である。ウンベルト・エーコ

 

 自国を愛することと正義を愛することが両立できればよいのだが。 アルベール・カミュ

 

 

愛国主義は悪徳の理想である。オスカー・ワイルド

 

政治的に言って、民族的ナショナリズム愛国主義)は自国の人びとが「敵たちの世界」――「一対すべて」に囲まれていると、常に主張する。そして自国の民族と、他の国々との間には根本的な違いが存在するとも。ハンナ・アレント

 

ナショナリズムは、私の考えでは、軍国主義と侵略の理想主義的な合理化に過ぎない。アインシュタイン

 

愛国心とは民族的な理由によって殺されたり殺そうとする意志である。 バートランド・ラッセル

  

ナショナリズムは私たちの近親相姦、偶像崇拝、狂気の形態である。愛国主義はカルトだ。エーリッヒ・フロム

 

税金について愛国的である人はいない ジョージ・オーウェル

 

愛国心は、それが学問の領域に入り込もうとしたら、ドアから投げ捨てなければならない汚れた友人である。ショーペンハウアー

 

国家は想像の幻想共同体です。もっとも小さい国家でも、そのすべての成員と知り合ったり、会ったり、聞くこともできません。しかしコミュニティの成員のことを想像することはできます。コミュニティは実際にどうあるかではなく、想像によって決められるのです。つまりは、国家は想像の共同体であり、現実の不平等と搾取にもかかわらず、それらは隠蔽され、国家は水平的な同志的な絆で結ばれていると確信されている。究極的には、このことが過去の二世期に渡って莫大な数の人が制限された想像のために殺す――というよりは、死んでいったことを可能にしたのです。ベネディクト・アンダーソン

 

自分の国を優秀さや大きさで愛するものはいない。ただ自分の国だからだ。 セネカ

 

愛国心は、根本的に、特定の国を世界でもっとも優れた国だと確信することだ。そこで生れたからという理由で。 バーナード・ショウ

 

愛国心は……支配者たちにとって、彼らの権力への飢えや金銭への渇望のための道具でしかない。そして被支配者にとって、人間の尊厳、理性、良心を放棄し、その権力の元に奴隷的に屈することを意味する。……愛国心奴隷制である。トルストイ

 

アナーキズムから見たナショナリズム

私はアナーキストだ。国家は害悪でしかないと思っている。一方で、ナショナリストは自国を愛する。水と油といっていいほど方向性が違う。

 

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私は注意深くナショナリストを観察してきたが、ひとつ言えることは、なんら批判精神を持たない人は自動的にナショナリストになるということである。「この国はすばらしい国だ」「我々は優れた国民・民族だ」「私たちの文化・歴史・伝統は優れている」と主張しない国家はない。「私たちはよくやっている」「あなたたちにとって私たちは必要不可欠だ」と主張しない支配者はいない。

 

学校教育によって、私たちは他人の考えを受け入れるよう作られている。「自分の考えは間違っていて、『偉い人』の言うことが正しいのだ」というマインドセットは、幼少期から徹底して植え付けられている。私たちは基本的に、自分の頭で考えるよりも、だれか他人の意見を自分のものとすることに最適化されている。

 

そんなわけで、ぽっかりと口を開けて、与えられたものだけを信じてきた人びとが、天皇自民党もすばらしい、となるのは自然なことである。

 

……ネトウヨたちはこれで説明できるのだが、西尾幹二のようなインテリナショナリストはいまいちよくわからない(三島由紀夫はだいたいわかった)。

 

ナショナリズムは危ない…… 

古代や中世のプロの戦士が戦う戦争はよかった。サムライも西洋騎士も立派だっただろう。

 

しかし、ただの市民にろくな報酬もなく「死んでこい」と引導を渡すような世界大戦は、最悪の戦争だったといえる。究極の権力濫用abuseと言ってよかったと思う。どれほど美化しようとも、日本人がもっとも殺されたのはあの戦争だった。

 

現代でいえば徴兵されたのは派遣社員のような人びとだった。つまり使い捨てのコマのように扱われた。ろくすっぽ対価を払えないので、彼らに与えられた報酬は愛国心である。愛国心ってのは、ただみたいなコストで人命を好き勝手できる極めて経済的な道具なのである(愛社精神と似ているかもしれない)。

 

愛国者はつねに自国のために死ぬことを話し、自らの国を殺すことは話さない。バートランド・ラッセル

 

愛国心は、人命を奪う。一方で、アナーキズムは国家の命を奪う。世間のイメージとは真逆で、アナーキズムの方が平和なんですよ。

 

天皇制をなくしたらどうでしょうか。皇室とその利権に群がる役人たち数百人が困る一方で、数万人の貧者……シングルマザー、苦学生派遣労働者が助かるのであれば、私はそうするべきだと思う。これ、間違ってるかな? そもそも原爆落とされたのも、何百万人の日本人が死んだのも、昭和天皇のせいじゃないですか? なんで(天皇に忠実だった)東条が死んで、昭和天皇は生き延びたんでしょ。