齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

天才と精神疾患―芸術は鬱病患者の専売特許か

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知的な人々における幸福は、私が知るもっとも見つけがたいものである。(ヘミングウェイ)

 

知恵は悲しみである。
最も多く知るものは、宿命的な真理を最も深く嘆かねばならない。
知恵の樹は生命の樹ではない。
(バイロン卿)

 

Wikipediaを見ていたらおもしろい記述があったので翻訳する。

Creativity and mental illness - Wikipedia

 

創造性と精神疾患

創造性と精神病の特異な関係は古くから指摘されてきた(例えば大うつ病性障害を発症する双極性障害は、劇作家、小説家、伝記作家、画家に特によく見られる)。精神病と創造性の関係が最初に文学にあらわれたのは1970年代が初めてだが、しかし「狂気」と「天才」の関係性という概念はそれよりもずっと古く、少なくともアリストテレスの時代にまで遡る。

 

「狂気」と「天才」の共通関係を理解するためには、まず天才の種類について知っていなければならない。文学的天才、創造的天才、学術的天才、そして「万能型」天才などがある。多くのカテゴリーがあることから、それぞれがひとつの課題に対して完全に優れているか、平均以下か平均以上かといったことを知ることができる。

 

古代ギリシャ人は創造性は神々から、とくにミューズ(ゼウスの七番目の娘であり、技術artsや科学の神話的人格)からやってくるのだと信じていた。アリストテレス主義者の伝統では反対に、天才は心理学的な視点から見られてり、同じ人間性が、偉大な業績と、特異な憂鬱の両方をもつと信じられていた。ロマン派の作家も同様の理念を持っており、バイロン卿は喜びをもってこう表現した。「私たち詩人はすべて狂っている。あるものは陽気で、あるいは陰気だが、すべては多かれ少なかれ気が触れている」

 

精神病を持つ人は、世界を斬新で独創的な方法で見ることができる能力があると言われる。文字通り、他のものが見ないものをみているのだ。

 

……

ある研究では、創造性はスキゾタイプ(分裂気質)の方が、一般人やスキゾフレニア(統合失調症、妄想、幻覚などで現実の正しい認識が不可能な症状)よりも創造性が高いことを見つけた。思考の広がりは前頭前野の両側の活性化に関連するが、分裂気質の人は右前頭前野により大きな活性化を有することが発見された。この研究は、分裂気質の人が両方の半球へのアクセスがより優れており、より速い速度で新規の連想を可能にしているとする仮説している。この仮説を裏付けることとして、両利きは統合失調症や分裂気質と関連付けられている。

 

特に創造性と強い関係が明らかになっているのは、気分障害、特に躁鬱病(双極性障害)、そして鬱病性障害(単極性障害)である。"Touched with Fire: Manic-Depressive Illness and the Artistic Temperament"において、Kay Redfield Jamisonは作家、詩人、芸術家における気分障害の割合を調べた。彼女はまた気分障害の有名な作家や芸術家、ヘミングウェイ(電気ショック療法後に拳銃自殺)、ヴァージニア・ウルフ(鬱発作時に身投げ)、ロベルト・シューマン(精神医療施設で死亡)、そして視覚芸術家のミケランジェロといった人物を研究した。

 

ネットで探したが、Kay Redfield Jamisonの比率はこれくらいしかわからなかった。

 

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よくわからないが、まあ大変多いようで。

メンヘラの芸術適性

また、ネット上でおもしろい画像を見つけたので紹介したい。

 

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書き起こしてみよう。

☆と★は40歳以下/以上で才能を発揮するか、だと思うのだが、よくわからない。

 

アルコール中毒:絵画、作曲、演出、映画、ノンフィクション、フィクション、詩

薬物中毒:演出、映画、フィクション、詩

鬱病:絵画、作曲、演出、ノンフィクション、フィクション、詩

偏執狂:映画、詩

精神病:詩

不安障害:絵画、映画、フィクション

適応障害:絵画、ノンフィクション

身体化障害:なし

自殺未遂:演出、映画、フィクション、詩

 

 

よくわかる。とくに精神病(統合失調症)が「詩」の部分。

 

あと、アルコール中毒者の才能の豊かさには恐れ入る。

よくAA(アルコホーリクス・アノニマス)みたいな断酒会に行くと、

おもしろい人がたくさんいると聞くけれど。

 

当たり前だと思われるかもしれないが、

アル中や薬物中毒と、鬱病の関係はとても深い。

ヘミングウェイもアル中&鬱だし、ヘルマン・ヘッセも同様。中島らももそうだね。

 

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Results from the 2011 National Survey on Drug Use and Health: Mental Health Findings, SAMHSA, CBHSQ

大欝発作を経験した人は、アルコール依存症となる可能性が2.5倍

 

アル中の鬱病患者がいたら遊ばせているのはもったいない。絵や文学の道を歩ませるのが良いのかも。 

天才は精神病が多い――特に鬱病とアル中

 そんなわけで、最新の研究でも天才的創造性は鬱病患者やアル中に多いとされている様子。 

  

天才、少なくとも特定の型の天才の間には、普通人の間におけるよりも、精神病なかんずく精神病質的中間状態の者が圧倒的に多く見られる。