齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

日本人旅行者はなぜ「私は日本人です」と言うのか

海外旅行で日本人はなぜ「私は日本人です!」と言うのか。

 

日本人がイギリスに滞在したときに気づく違和感は?

What do Japanese find strange when visiting the UK? | Japan

という質問に対し、日本人以上の日本通であるMartin Basinger氏の回答。

 

日本人がヨーロッパに最初にいったときの典型的な会話:

 

日本人「こんにちは!私は日本人です!!!!!!!!」
ヨーロッパ人「こんにちは。よかったね。列に並んでね」

 

日本人はあっけにとられて、バカのように扱われたと考えるだろう。実際、まるでメダルを期待するかのように国籍を紹介するのは馬鹿げているのだが。彼らはそこで、何かが妙だと感じる。

 

日本人は教育システムとメディアによって洗脳されている。日本人であるというだけで特別な存在なのだと信じ込まされている。彼らは日本人はとても尊敬されていて、外国では祭り上げられているとさえ教え込まれる。しかしヨーロッパ(多分他の西洋諸国でも同じだろうが)では、あるひとが中国人だろうと、マレー人、日本人、フィリピン人だろうと、そんなに気にしない。その事実自体は、興味を引くに値しないのだ。

 

平均的な日本人は、現実に基づいた外国像をもっていない。彼らはパリ症候群のような病気にさえなる。パリ症候群とは日本人がパリに初めて行って、無精髭の男やスニーカーのフランス男性を見てショックを受けて気絶する症状だ――彼らはフランス人男性のすべてが60年代映画のアラン・ドロンのようで、フランス人女性のすべてが一日中バゲットを腕に抱えていると想像しているのだ。

 

日本はエコーチャンバー*のようだ。ほとんどの人が非日本人のサイトを読めるほどの英語力がない。彼らのメディアは、永続化する自己価値感をシンクロしてつくりだしている。「日本は優れている、他のすべての国は危険で汚い」。他の神話は、「日本人は非常に尊敬されており世界中で愛されている」といったものだ。

 

日本人がイギリスのような外国へ行ったとき、彼らはまさにその存在の基盤を揺るがすような、深刻な認知の不調和を感じる。中にはショックを受け、人生のすべてにおいて日本で与えられていた洗脳に怒りを向ける者もいる。つまり日本人は、イギリス滞在においてすべてに違和感を持つと言ってもいいだろう。

 

彼らの期待するイギリス像はハリー・ポッターの本や映画と、少々「ビートルズ」の響きとマンチェスター・ユナイテッドオタク(彼らは他のチームを知らない)をミックスしたものからきている。彼らは全員にツイードのスポーツジャケットを着て、17時にはお茶を飲み、飾り棚から出したお菓子を食べ、最近のマンチェスター・ユナイテッドの試合や天気のことを議論することを期待している。

 

これは冗談に感じるかもしれないが、平均的な日本人はもっとも時代遅れで、もっとも根深いステレオタイプしか知らないし、それがステレオタイプだとも思っていない。日本社会はとても画一的だから、他の文化が画一的でないことが決して頭に浮かばないのだ。

*エコーチャンバー:同じ意見の人だけが話し合っているうちにそれが正しいことだとみんなが信じてしまうこと 

 

 

日本人「こんにちは!私は日本人です!!!!!!!!」

 

ああ、これあるなあ……。と笑ってしまった。

 

「日本は特別な国」

「日本は世界中に愛されている国」

 

という洗脳がそうさせているのだ、ということがMartinの記述からわかる。

 

 

実際の日本人像=カモ、スケベ、英語ができない

私個人の海外旅行の経験では。

私は日本人だ、というと日本人=カモというイメージが強いようで、しつこく客引きなどされて嫌な思いをした。

 

全世界共通して、もっとも妥当と思われる日本人像は日本人=好色というイメージであって、ぽん引き(pimp)に片言の日本語で「女、女!」「セックス!おっぱい!キモチー!」なんて叫ばれることがよくある。あと日本人女性も好色というか、お股がゆるいというイメージは、残念ながら確実に存在する。

また、これを忘れてはいけないだろう。日本人=英語ができない。これは絶対に全世界共通だと思う。お店や空港で外国人を困惑させるのは決まって日本人である。JanglishやEngrishが通じるわけないだろ! なんとなくわかれよそれくらい! と若きおっさんはプルプル震えていた。

 

そんなわけで、Actualな日本人像は以下だと思う。

日本人=カモ、スケベ、英語ができない

 

日本人は世界中で評価されている――これは幻想だというのが、私の実感である。 

 

女性を大切にしない日本文化

ちょっと話がずれるのだが。

興味を引いた別の回答を見てみる。回答者は、Tisho Yanchev。

いくらかのイギリスに渡った日本人から聞いた話では、彼女たちは”レディ・ファースト”文化とそのメンタリティにショックを覚えたらしい。

 

彼女たちのためにドアを開けるとか、最初に入らせるとか、彼女たちに譲る、そういったことである。女性をひどい奴隷のように扱うような女性嫌悪の社会から来て、日本人はイギリス文化にショックを覚えるようである。

 

彼女たちはまた、ひとびとが彼女たちに丁寧にあいさつをしたり、相互に助けあうこと、これらも日本にないということで驚いたと私に話したよ。(日本では)もし足を痛めたとしても、だれも目を向けもしないのだ。

 

 

日本人男性は女性を大切にしない。

なんでなのだろう、と思うことがある。

日本人男性は、女性に冷たい。

 

私は西原理恵子の漫画を愛しているのだが、それは彼女が女性の受ける困難を、直截に描いているから。「世の中シンデレラだけではない」、「シンデレラでなくてもいい」という当たり前の事実を、彼女はありのままに描く。

 

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(西原理恵子「女の子ものがたり」より引用)

 

私は、女性が不幸で、泣いてばかりいる社会は、ほんとうにダメだと思う。

 

思う、という、まあ、それだけなのだが……。