「おお、孤独よ!あなたは私のふるさとだ!孤独よ!」ニーチェ
天才や思想家はなぜ孤独なのだろうか。
高い知性を持つならば、人々と良好な関係を持つことも可能ではないのか?
しかし天才は孤独に暮らし、伴侶も持たないことが多い。
なぜなのだろうか。
H. D. ソローのイラスト
「インテリや思想家はなぜ孤独なのか? そしてなぜ彼らはなぜ人々とうまく付き合えないのか?」 という質問に対してQuaraの人々の解答を引用していく。
天才はもはや違う種族である
Prachi Gupta - Quora ランディス・ギア(2011年に東芝に買収された多国籍企業)の社員。
知的人間や思想家は一つの種族だ。
彼らは異なる思想、概念、信念の潮流である。
彼らは何を信じようと、とても強い信念がある。
彼らは人生で従うべきいくつかの主義を持っている。
彼らはいくつかの話題や問題について厳格である。
知的人間はみなと友達になろうとしたり、支持し、助けようと試みる。
しかし、彼らは一般にだれかと親密になることができない。
それは彼が求めているのは、彼の欠点やイデオロギーに同意し、信頼できるような、自分よりも賢い人を求めているからである。
別の理由は、彼らがだれかに近づこうとするとき、他の人が自分たちに似ておらず、同じ考え方をしていないと感じるからである。彼らはその考えを受けいれることができない。もしだれかが彼らの主義を変えようとしたら、彼らはその人と親しくするよりも、離れることを選ぶだろう。
結果として、彼らはだれからも離れることになり、孤独になる。
人々との哲学議論は、アリの巣に話しかけるようなもの
倫理研究者、Adam Gideon Stier - Quoraの解答。
こう考えてみよう。
君は公園を歩いている。道の脇に、アリの巣山ができている。君はそこに止まり、屈んで、こう言うだろうか。
「こんにちは! ぼくは君たち愉快な仲間たちと、科学と、そして少しばかり哲学の起源なんかについて議論したいんだけど、どうかな?」
君はもちろんそんなことはしない。君は元通りの道をまっすぐ歩くか、もし君がサディストならば、巣山を蹴っ飛ばしてアリが蹴散らされるのを眺めるだろう。しかし、科学や哲学、あるいは他の課題についてそれらの存在に説明しようとしても、彼らは君の言うことのほんのわずかしか理解できないだろう。
私はインテリが非インテリよりも優れていると言いたいのではない。知識の追求に欠けている人を、昆虫だとか高い教育を受けた大物や巨人とくらべているのでもない。これは単に、極端なメタファーだ。君が科学や哲学の難しい問題を、その前提知識なしにだれかに説明するとすれば、それはアリに向って教えるのと変わらない。もし君が「簡潔な言葉」で話すスキルがないとすれば特に。それにくわえて、君の問題を容易にすばやく捉える能力は、他の人に理解させるよう説明することを難しくする。私は何度も目にしたことだが、そういう説明をする人は、だんだん賢くない人に不満を持ち、彼らを避けるようになる。
私は物事を深く考えている。私には食事を思い出させてくれる人が必要だ。私は街角で、知らぬ間に車道に入ろうとして、見知らぬ人に引き戻されたことがある。孤独? 私はその言葉の意味はわからない。私の脳は、ほとんどの時間を費やす漫然とした仲間である。
私はインテリや思想家のために話すのではないが、私の経験では、新しくエキサイティングなことについて発見したり考えているときに孤独になっているのではないかと想像する。それはできればシェアしたいが、しかしだれにも理解できない、だれにも話している内容が理解できないことなのである。
君はそういうことが理解できるグループに入ることができる。メンサがその天才クラブの例だ。他にネットで検索しても、そういうグループがあるだろう。
……この人は本当に賢そうだ。
天才は孤独ではない/「内なる自己」がいるから
Abu Jani Sandeep Khosla(インドの企業?)で働くHarsha Ranu - Quora氏。
とてもおもしろい質問だ……。でも、答える前に言っておきたい。私は知的探求者や思想家が孤独だとは思っていない。彼らは周囲に人間が必要ないのだ……。彼らは美しい世界を持っているから……。社会適応が苦手で、ほとんどの人と付き合えないのは事実だが……。
それに、知的探求者になることは孤独な手段ではまったくない!! なぜなら、私は信じているのだが、知的探求者となることは、最良の同僚を得ることだから。それは「内なる自己」。
(略)
社会的なつながりは彼らにとって特に重要ではないのだ。彼らは知的世界を共有できる、少しの、親しい友人がいれば幸せなのだ。彼らにとって新しい結びつきを確立することは難しい。恋愛では、彼らはたくさんの距離と独立を求めるけれども、恋人が重要ではないとみなしているのではない。関心をわかちあい、彼らの視点に気づけるような恋人とは、調和的で、均衡のとれた関係を彼らは望んでいるのである。
(略)
もしも人生について考えたり話すことが君の情熱や強みであり、そのことが孤独にさせるとしても、諦めないで!(私はそうではないけど) もしそれが君の本当の愛なら、大事にして、発展させるべきだ――なぜならそれは君の人生に究極的に愛を引きだす方法なのだ。
インド人らしい解答だと思った(小並感)
結論:抽象度の高い思考がひとを遠ざける?
以上まとめてみると、天才はなぜ孤独か? の答えは、抽象的なことばかり考えているからではないか。
恋愛や金儲けのことはだれとでも話すことができる。
しかし人生の本当の問題……哲学や倫理をだれかと対話しようとしても、ほとんどの人とは会話が成り立たない。
嘲笑気味に「あいつは変人だ」と指さされることになる。
現代ではそういう話題はタブーのようなものだ。
どうせ話しても理解できない……と他者を遠ざけるから天才は孤独なのかもしれない。