齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

アナーキズム

現代人は奴隷である

私たちは奴隷です。 と言ったときに、「そんなはずはない」と答える人が大半だと思います。「奴隷制は過去のものだ」と私たちはなんども教え込まれているからです。 しかし、私たちは奴隷です。別にこれは陰謀論ではありません。 私たちは資本主義社会に生き…

無政府資本主義というデタラメな思想

アナーキストは「支配関係の廃絶」を理想とします。 資本主義は資本家による労働者への搾取を前提としています。これは支配関係です。なので、アナーキストは資本主義に反対します。 しかし、世のなかには無政府資本主義者(Anarcho-capitalism, ancapとも)…

必要悪という矛盾

「必要な悪」が存在しうるか? アナーキズムを研究していると、必要悪という言葉にしばしば遭遇します。 たとえばホッブズは、自然状態では「人々は常に恐怖の中、暴力死の危険の下に生き、その生活は孤独で、貧しく、汚く、動物的で、人生は短命」としてお…

国家と徴税

「さっさと日本人、やめたいなあ」と思う昨今です。 「日本人」をやめることができれば、税金も賃金労働もなくなります。明らかに自分よりもバカな権力者が自分の運命を決めたり、エリートや富裕層、皇室が税金や搾取で贅沢な暮らしをし、警察や上司が偉そう…

仏教とアナーキズムの関係

ブッダとアナーキズムの意外な共通点。 仏典が好きです。 仏典はいわゆる宗教書と違い、妄想な抽象的な記述が少なく、具体的で明晰です。哲学的とも言えます。 仏教にはどうも堅苦しいイメージがつきまといますが、本来の仏教は「世間に惑わされず、欲を断ち…

科学技術は資本主義に奉仕する

「技術は価値中立的だ」といわれますが、実際には資本主義に奉仕します。 技術(テクノロジー)は、言われるほどすばらしいものでしょうか。私たちを豊かにしているでしょうか。 自動車の誕生によって、私たちは足腰を弱らせメタボに悩まされます。グーグル…

アナーキズムとは何か

アナーキズムは愉快な思想的冒険です。 もし国家がなかったら。警察がいなかったら。法律がなくなったら。 信号をなくしたら。社会は今より悪くなるでしょうか。それとも? 私たちは生まれたときから国家や警察を自明のものと考えています。しかし、人類の長…

文明は悪である――反文明主義

文明は悪ではないのか。 私たちは文明を捨てるべきではないか。 文明によって私たちは豊かになった、とされます。文字、鉄器、電球、機関車、冷蔵庫、スマホ。 しかし、私たちは本当に豊かになったでしょうか? This Is Our World By Steve Cutts - YouTube …

権力は悪である

権力には良い権力と悪い権力があるのか? それとも、権力は中立的な概念なのだろうか。 真の意味で社会的なるものは、個人の上に及ぼされる圧力、強制、命令であり、したがって統治である。(個人と社会 / オルテガ・イ・ガセット) 私たちのほとんどは、被…

言わずもがな、仕事はクソである。

毎日同じ生活を繰り返すこと 小学生の頃から苦痛だった 毎日同じ時間に起きて同じ道順で同じ場所に行き同じ時間に帰る 頭おかしくなりそう何でみんな平気なの?と思う事 | ガールズちゃんねる - Girls Channel - ――言わずもがな、仕事はクソである。 世間 仕…

だれがアナーキストなのか?

「人が人の上に立つのはよくないことだ」。 もし同意するなら、あなたはアナーキストかもしれません。 Above the eternal tranquility - Isaac Levitan 1894 あなたはアナーキスト? 気鋭の米アナーキスト、デヴィッド・グレーバーの「Are You An Anarchist?…

支配とヒエラルキーの起源

現代社会の苦しみの多くは、階級制度によって説明できます。人が人を支配する起源はどこにあるのか。ヒエラルキーはいつ生まれたのか。そして、なぜそのシステムが維持されるのか。

アナーキズムとスピリチュアル

スピリチュアル用語である「アセンション」について調べていたら、以下の記述がありました。 地球は一つですが、アセンションによって精神的な意味で2つに分かれていくようです。 一つはポジティブな地球、もう一つはネガティブな地球です。 アセンションに…

アナルコ・キャピタリズムはアナーキズムではない

無政府資本主義は無政府主義ではありません。 アナーキズムにはたくさんの種類があります。 アナーキストは「国家を廃絶する」(より正確には、「支配関係を廃絶する」)ことを目的としていますが、その方法や理想とする世界の考え方によってさまざまな分派…

アナーキストとリバタリアンの違い

自由を愛し、あらゆる抑圧を否定する。この点でアナーキストとリバタリアンは同じです。しかし、国家や政府に対する考え方に本質的な違いがありそうです。また、右派リバタリアンやアナルコ・キャピタリズムについても説明しています。

人類はこんなにいらないだろう

ゴールデンウィークとかいうぜんぜん輝いていない休日に外出すると思うこと。 人類はこんなにいらない。 このグラフは強烈だが、人口増加はねずみ算。対数グラフを見てみよう。 このグラフを見てわかること。 農耕が始まるまで、世界人口は一定だった。 「農…

狩猟採集民「農耕社会はブラックなので拒絶する」

狩猟採集社会に比べると――農耕社会はキツイ・汚い・危険の3Kです。 キツイ=労働時間がクソ長く、遊ぶ時間がありません。 汚い=定住生活と人口過密により、不衛生で伝染病が蔓延しました。 危険=土地資本に依存するため、他の農耕民族とたびたび殺し合い…

「優しい世界」は狩猟採集社会にあった

株式会社ブラック・エージェンシー A「今日も3000万円の契約を取りました!」上司「さすがAだ! その調子でがんばってくれよ」 C「Aくんかっこいい~!」 B「(やばいな~、Aはすごいな。俺は全然契約取れないや……)」 上司「B、ちょっとこい」 上司「Bよ、…

信号なき道路、警察なき社会

信号をなくしたら事故が減ります。 これってすごい言葉じゃないですか? いいですか、もう一度言いますよ。 信号をなくしたら事故が減ります。 「ラーメンを食べたら腹が減ります」 みたいなイキフンですよ。 「え、じゃあ信号って何のためにあるの?」とな…

政府は最大の殺害者である

愛国者はつねに自国のために死ぬと言うが、自らの国を殺すとは言わない。バートランド・ラッセル 「戦争」というと、映画や漫画で描かれるように、派手にドンパチして、戦ってかっこよく死ぬ姿がイメージされます。 そしてまた、英雄たちが崇高な愛国心と自…

反体制の矯正施設としての刑務所

本当に悪い人は捕まりません。 ―― 3万円を窃盗したスリ師は捕まりますが、300万円の賄賂を受け取った官僚は捕まりません。 ――交通取締りでは高級車は捕まらず、おばちゃんや学生の乗った原付きや軽自動車ばかり狙われます。 ――職質で揉めて警察を「転ばせた…

税金は泥棒です。

「○○は犯罪です」という言葉をよく見かけます。 「痴漢は犯罪です」 「万引きは犯罪です」 などなど。 私はこう言いたいです。 「税金は泥棒です」 「声に出して読みたい日本語」だと思いませんか? だれがために金は奪われる あらゆる国家は税金を要求しま…

国家は悪である。

日本史や世界史を勉強してると、「人間ってどうしようもないクズだな」と思いませんか。 殺し合い、奪い合い、富や権力のためなら手段を選ばない……。まさに「全員悪人」の世界です。 でも、まってください。歴史とは、特に古い時代の場合、「支配者の記録」…

アナーキストは反出生主義者である……?

反出生主義が最近の流行のようです。端的に言えば、「子どもを生むことは悪だ」という考え方です。 子どもが生まれたら祝福することは、私たちにとっては当たり前のことです。「おめでとう」「よくがんばったね」と褒めることはあっても、生まれたばかりの赤…

「良い国家」があるのではない――国家は悪である

私たちは統治されています。 統治とはどういうことでしょうか。それを考えてみましょう。 *1 統治されるとはどういうことか だれが統治するか: その資格も、知識も、徳性も持たない連中 何がなされるか: 監視される 検査される スパイされる 指導される 立…

昔の人はクソ国家から好き勝手逃げだしていた

昔の人たちは、国家が腐敗したら逃げだしました。 重税でほとんど食べられないとか、負け戦に死んでこいと言われたら、「アホくさ、やってられんわ!」と逃げました。 そもそも国家とは、なんらかのメリットがあるから人が集まるものでした。王宮での特権的…

アナーキズムよりもナショナリズムの方が危険

何も誇るべきものがないすべての惨めな愚者は、所属する国家への適応が最後の自尊心の源となる。彼は自らの欠点と偽物の爪と牙を守り抜くことで幸福となる。このように彼は自らの劣等感を埋め合わせるのである。ショーペンハウアー ナショナリストとは何者か…

「普通の人」ほど凶悪になりやすい

1960年――アイヒマンが捕まりました。 史上最大の極悪人、ホロコーストの責任者である彼が、逃亡生活の果てにモサドによって捕まったのですが、蓋をあけてみればどこにでもいそうな平凡なおっさんでした。 悪魔のような犯罪人を予想していた世界中の人び…

ニーチェとアナーキズム

私は自分の所有する家に住み、他の誰のまねもしてこなかった。そして、自分で自分を笑いものにできない人物を、どんな偉人であろうと、笑いものにした。(ニーチェ「華やぐ知恵」) どんな仕方であろうと、相手の権力に従う人の中に、ニーチェは弱さを感じと…

「人はみな同じ」という誤謬

「人はみな平等」という言葉を聞きますが、平等なわけがない。狡猾な人間は愚鈍な人間の血を吸います。これは昔からそうですし、たぶん未来もそうです。 Dougal Dixonの“Man After Man”より。 では反対に、愚鈍な人間に狡猾な人間の血を吸わせたらどうなるで…