齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

IQは生まれつきだった。

生まれつきでした。

 

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IQ問題です(難易度ハード)。記事下に答えがあります。

 

IQ is in the genes | Science News for Studentsより引用(かなり省略しています)。

 

犯罪学者として、彼(Kevin M. Beaver)は犯罪の原因と防止方法を研究している。Beaverはフロリダ州立大学に勤務している。彼の研究チームは、異なる育児方法が子どもの知性にどのような影響を与えるかを研究していた。

……

研究チームは米国の中高生1万5000人の中高生を調査した。

…… 

1994年から1995年にかけて、研究者たちは生徒たちに一連の質問をした。たとえば、「あなたの親はどれくらい温かく、どれくらいあなたを愛しているか?」「あなたは親とどれくらい話すか?」「どれくらい気にかけられているか?」

 

生徒たちはまた、10の行動リストを与えられた。生徒たちが先週の間、どれだけその行動を一緒に行ったかが調査された。「スポーツを一緒にしたか?」「買い物にいったか?」「夕食の間中会話していたか?」「一緒に映画にいったか?」

……

「しかし……親たちが子どもを気にしているかどうか、一緒に行動をしたかといったことは、IQに何ら影響を及ぼさなかった。このことが意味するのは、IQの大部分は両親から生物学的に受け継いだ遺伝子によって決まるということだ」

 

Kevin M. Beaverはフロリダ州立大学のセンセーですが、ここ十数年、一貫してIQ遺伝説を研究してますね。

 

子どもたちを気にかける親であれば、それだけ知育教育に取り組んでいそうです。しかしながら、親の子どもに対する関心と、子供のIQには関連性はない、とのことでした。

 

英才教育や知育では何も変わらない

「英才教育」界隈ではこのような言説がまかり通っています。

 

IQは3歳(広義では6~7歳)までにいかに多彩かつ良質の経験をしてより多くのシナプスを発達させ、脳回路のネットワークを豊富に育てるか?で決定するのです。
頭の良さは遺伝ではなく0歳~3歳期の育児によって決定されると言って良いのです。

 

知識の詰め込み・丸暗記だけならば6歳以降でも努力次第で出来ますが、考える力・創造する力・解決する力など本当の意味での「頭の良い子※一般的に言う”地頭の良い子”」に育てるには3歳までの環境で80%、6歳までの環境で90%が決まってしまうのです。

引用元

 

どうも頭が痛くなってきます。

 

「商業とは詐術である」とだれかが言いました。金になればなんでもよいのが資本主義。「あらゆる商品は水素水ではないのか?」と疑ってみる必要があるといえます。

 

もっとも、「IQをよくする教育」ではなく、音楽教育や語学教育はある程度の効果があるかと思われます。子どもの頃から音楽教育やってる人の演奏って、「越えられない壁」を感じます。

「IQは遺伝で決まる」という不都合な真実

知能は生まれつきで決まるという学説は、かなりナイーブな問題を孕んでいます。

 

IQと関係があるのは、学歴や成績はもちろんですが、決定的なのは「収入」です。

 

知能は職業的成功、社会的地位の達成と強く結びついている。知能の高い人は親よりも高い職業(社会経済的地位:SES)につき、低い人は親よりも低い職業につく傾向があるといわれている。(「犯罪心理学」大渕憲一)

 

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低IQと高IQでは収入に無視できない差が存在している。(引用元

 

資本主義は「だれでも努力次第で成功できる」という「建前」をもっています(日本の受験神話も同様です)。これがおかしくなる。

 

極端に言えば、「IQ高い種族(血族)」が「IQの低い種族」から奪うような社会構造が存在することになります。

 

社会格差を論ずるとき、「貧乏人はバカだからしょうがない」「努力してこなかったから自己責任だ」というような意見があります。しかし、いくら努力したところでバカがどうにもならないのであれば、資本主義は単なる残酷なシステムに過ぎないことになります(事実そうなのですが(いじめと資本主義 - 齟齬)。

 

ビーバー先生の研究はけっこー批判されているわけですが、資本主義的(プロテスタンティズム的)理想に取り憑かれた人には受け入れがたい「地動説」なのかもしれません。

 

 解答

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冒頭の問題の答えです。これ、解ける人いるんですかね……?