齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

日本がダメな国なのは

日本人は政治的に無能だ。

 

ここまで無能な国民もないのではないか、と思うことがある。東南アジアやアフリカなど、第三世界の方がよほど民主的だ。彼らはデモやストライキ、それができなければ暴動で「意思表示」するから。

 

彼らは少なくとも、自分でものごとを考え、言うべきことを言っている。こんなリーダーならいらない、こんな国家ならいらない。民衆が政治権力に対する脅威になっている。

 

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一方で日本に民主主義はいつになったらやってくるのだろうか。大正デモクラシーをピークに下降する一方なのではないかとさえ思える。敗戦でも国家構造を根本的に変えはしなかった。

 

今よりも江戸時代の方が民主的だったとさえ言える。藩主たちは選挙で選ばれた代表ではないが、常に農民の一揆を恐れていた。翻って現代はどうかといえば、日本国民は完全に「アンダー・コントロール」。

 

その結果が、いまのありさまだ。日本は民主主義ではない。少数のエリートたち(「仲良しクラブ」)が国民を支配する寡頭制のままである。

 

政治と生活 

政治の問題は「私達の生活に関係のないこと」ではない。政治がうまく機能した社会を想像してみてほしい。

 

第一に言えることは、政治が機能している「ふつうの国」であれば、福島原発事故のような世界的な大惨事に対して、アカウンタビリティがとれるということである。

 

いや、そもそも政治が機能していれば、事故は防げたはずである。というのも、同様の「ありえない失態」を日本は過去にも繰り返しているからである。

 

薬害エイズ事件、足尾銅山鉱毒事件、東海村のJCO臨界事故。阪神淡路大震災や日航ジャンボ墜落事故の対応についても言える。


もし政治が私達の民意を反映したらどうなるか。身近な例をいろいろあげてみよう。 

  • サービス残業がなくなる。
  • 有給が取れるようになる。
  • 派遣社員の搾取はなくなる。
  • セクハラなどハラスメントの取り締まり。
  • 無駄な公共工事の削減。
  • 国公立大学の学費無料化。
  • ヤクザの解体と国営ヤクザ(警察)の浄化。
  • パチンコの違法化。
  • 公務員の給与削減。
  • 記者クラブ、電波利権の解体。
  • 政治家と官僚の「分業」。

あーあ、書いてて情けなくなってきた笑

 

こんなことは先進国では「当たり前のこと」だ。政治が空洞化しているから野放しになっているのである。

 

日本人の大部分は洗脳されているので、サビ残がなくなって有給休暇が好きなだけとれるようになれば「日本が日本ではなくなる」ような恐れにかられるかもしれない。なかにはヤクザは日本の伝統で、困難のときには助けてくれると考えている人もいるだろう。これはほんとうに日本人全体に根強い感覚で、まさに日本社会を膠着させている原因でもある。

 

とりあえず、日本人=勤勉というNihonjinronは捨てるべきだ。日本人は勤勉なのではない。ただ「うまくこき使われていた」だけのことである。

 

「武士道」が近代以降のでっちあげで、伝統ではなかったことを思い起こせばよい。特攻隊員たちは武士道精神で死んでいったのである。

 

「良い日本」にするためには

話を戻そう。日本の社会がダメなのは、民族性や文化のせいではない。単に政治が機能していないからである。

 

このことは望みでもある。日本は政治さえうまくいけば、少なくともいまよりは国民が幸せに生きる社会をつくれる可能性があるということだ。

 

「政治をよくしよう」なんていえば、嫌な顔をされることは理解している。日本の民主主義は建前で、本音はできるだけ国民を政治から遠ざけようとしている。

 

ひとは、自分に働いている政治的な諸力を認識すべきだ。日本人が思っている以上に、日本人の苦しみは、「政治」によってもたらされている。

 

日本の大衆はひどく抑圧されている。しかしそれにもかかわらず、抗議するよりも自殺を選ぶ人が多い。自分を責める必然性なんてどこにもないのに彼らが自分を殺してしまうのは、自分に働く抑圧の根源がどこにあるのかわからないからだろう。

 

「生きづらい社会」は変えることができる。私たちの国は、他でもない私たちのためにある。そう考えることが日本を変える第一歩だと思う。