齟齬

社会とマイノリティの「齟齬」を描く御厨鉄のブログです。

ヤクザがわかれば日本がわかる

500ページ近くの大著、「ヤクザはなぜ消滅しないか」を読んだ。

 

やはりヤクザのことがわかれば、日本のことがわかるように思う。

 

 

私はつねづね、日本の都市景観、田舎の景観が汚いことを嘆いてきた。

 

 

 

護岸工事や道路工事によって、素朴な景観が失われている。

 

 

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日本の河川の大半は、護岸工事によって側溝のドブのようになっている。

 

また林道工事によって山は削り取られ、コンクリートで固められた。

 

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じつにキタナラシイ。

 

もちろん、なかには必要なものがあるだろう。

 

しかしほとんどは、数千万円数億円かけて行う必要のない工事ばかりである。

 

ある程度林道ツーリングを楽しんだことがある人ならわかるだろう。

 

「こんなところまで!?」というような道まで、ばっちり舗装してある。

 

二、三日に一台車が通れば御の字のようなピストン林道(行き止まりでどこにも繋がらない道)が、である。

 

 

自然を破壊し、痛めつけ、コンクリートをがーっとかけることにかけては、

日本人は世界一に違いない笑

 

同じように日本の景観を嘆くアレックス・カーは、

日本人は世界一コンクリートを消費していると指摘していた。

 

 

で、昔からなんで日本人は土建工事が好きなんだ? ということが疑問だったのだが。

 

公共事業がヤクザマネーに繋がることを知って納得。

 

 九〇年代をとおしてヤクザにもっともカネを稼がせたのは、おそらく日本政府だっただろう。この一〇年間、政府はカネをばらまいてどうにか不況から抜け出そうと務めたが、そのための中心的方法だったのが膨大な公共事業計画。これは過去最大と言われ、九一年から二〇〇〇年にかけて政府は三兆五000億ドルというとてつもない金を費やした。
 もちろん公共事業は、ヤクザのお気に入り職種の一つだった。ある意見によれば、全公共事業のおよそ三〇~五〇%に暴力団への利益供与がからんでいると推定。通常こうした契約の一~五%がヤクザにピンはねされるのだから、この推定によれば少なくとも一〇五億ドル、ひょっとすると八七五億ドルもの大金を暴力団がかき集めたかもしれない。(同著)

 

日本経済がヤバイって時期に、公共事業を通じてヤクザにカネを流していた日本政府。

 

その目的は、謎である。

ほんとうに経済効果を狙っていたのかもしれないが……

90年代の不況時には、ヤクザも困窮していたので助けようとしたのかもしれない。

 

なんせ、ヤクザは政府の大事なお仲間。

国民そっちのけで助けるでしょう……。

 

そんなわけで、寒村のボロボロの家屋の前を、

真新しい道路がびしっと走るような

日本特有の光景が作られたのであった……。

 

日本政府の伝統的な「公共事業好き」 は、

「ヤクザ好き」と言い換えてもよいだろう。